ヒマワリ

 今年もヒマワリが咲く時期が来ました。

 日本では、一般的に観賞用の花だと思われがちなヒマワリですが、欧米では食用として栽培されているようです。ヒマワリの種からは植物油を取り、残ったかすは動物の飼料とするのが一般的なようです。また、ヒマワリの種を煎って食べることもできます。

 そう言われれば、カンボジア教育省に海外シニアボランテイアで派遣されていたときに、青少年局長は、ヒマワリの種をおやつのように食べていました。

 ヒマワリの原産地はアメリカ合衆国西部のようで、その地域に住んでいたネイティブ・アメリカンの人たちは野生のヒマワリの種子を食糧にしていたと言うことです。

 また、ヒマワリの花が咲く頃には、バッフアローの肉に脂肪がのり、食べ頃になるということで、バッフアロー狩りの時期を知らせる植物としても知られていたようです。

 このヒマワリの花をスペインの探検家がマドリッドに持ち帰り、植物園で観賞用の花として育てられていたものが、やがて食用油を採るためにドイツ、フランス、ロシアへと広まっていったそうです。現在では、ロシアがヒマワリ油の最大生産国になっています。古い映画で「ひまわり」と言う名作がありますが、そのエンデイングで地平線まで続くヒマワリ畑が話題になりました。この場面は、旧ソビエト連邦ウクライナの首都キエフの南、ヘルソン州で撮影されたそうです。南フランス・プロバンス地方、スペイン・アンダルシア地方のひまわり畑も有名です。

 さて、ヒマワリの名の起こりは、太陽の動きにつれてその方向を追うように花が回ることからきていますが、本当にヒマワリの花は太陽を追って動くのでしょうか。

 いろいろな資料を調べてみると、若いヒマワリには、光に向かって茎を伸ばす屈光性という性質があるということで、茎の上部の葉は、太陽の光を効率的に受けられるように朝方は東を向いていますが、夕方には西を向きます。そして日没後は起きあがり、夜明け前には再び東を向くという日周運動をするということです。まさにヒマワリ運動をするのです。

 しかし、この運動は、つぼみが大きくなり花が咲く頃にはこの運動は止んでしまいます。動きが止まる過程で日中の西への動きが次第に小さくなるのですが、日没後に東に戻る動きは変わらないために完全に花が開いた状態では、花は東を向いたままほとんど動かなくなってしまうということです。

 現在は、茎の先端に一つだけ花を付ける品種以外にも、いろいろな品種のヒマワリが出回っていますので、ヒマワリの日周運動をしない品種もあるようです。

 ヒマワリも年を取るに従って、体が固くなり、体が回らなくなってしまうのですね。それとも若いうちには、どんどん吸収して綺麗で大きな花を咲かせようと努力するのに、花が咲いてしまうともう努力はしなくなるのでしょうか。

オールド・キャンパーの独り言

早期退職してJICAの海外シニアボランテイアとしてアルゼンチン共和国 ラプラタ市の環境公園で1年すごした後、カンボジア教育青年・スポーツ省青少年総局で2年間を過ごしました。  海外生活の間に思い立って書き始めた「自然からのメッセージ」でしたが、帰国後、長野県の生坂村に引っ越して、自然の中で暮らし始めて、折に触れ読み返しているうちに「オールド・キャンパーの独り言」として書き直そうと思いたちました

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