バタフライ・ガーデン

 ビオトープが、水辺の環境を再生することによって、昆虫や野鳥が飛び回る田園風景を回復しようとするのと少しニュアンスが違い、蝶が飛び回る庭を造ろうというのが、バタフライ・ガーデンです。

 蝶が飛び回る庭園を造るためには、蝶のための植物を育てなければなりません。花が咲く植物は、蜜を作るので、蝶を呼び寄せるにには有効なのですが、蝶を育てるには、蝶が産卵してその幼虫であるイモムシやアオムシ・毛虫が育つような環境でなければなりません。

 しかし、「蝶は好きだけれど蛾は嫌いだ」とか「蝶は好きだけれどイモムシや毛虫は嫌いだ」と言う人もいるでしょう。けれども、蝶が育ち飛び回る庭園造りでは、美観に貢献しない植物でも蝶の幼虫のために必要なのであれば育てなければなりませんし、たとえ個人的には嫌いでもイモムシや毛虫も育てなければならないのです。

一般的には、蛾と蝶の違いは、蛾は、夜になると飛び回り、蝶は昼間に飛び回る。蛾は、翅を広げてとまり、蝶は翅を閉じてとまると言われていますが、実際にはその逆もあって明確ではありません。

 日本に生息しているものに限れば、触角が棍棒のように先が太くなっているのが蝶で蛾の触角は、糸状・櫛状・羽毛状と様々な形がある言われていますが、学問上の分類では昆虫類鱗翅目で区別はありません。言葉の上でも日本語や英語では、蝶(butterfly)と蛾(moth)という区別がありますが、フランス語やドイツ語など多くの言葉では蝶と蛾の区別は無くて一つの言葉で言い表されているようです。

 また、一般に蛾と言われている仲間の多くは、いろいろな植物を幅広く食べることが知られていますが、蝶の幼虫は、それぞれの種類によって食べるものが限られています。例えばアゲハチョウの幼虫は、ミカンやカラタチの葉、モンシロチョウは、キャベツというように特定の植物の葉しか食べないのです。

長い進化の歴史の中で植物達は草食性昆虫に食べられ無いようにするために自分の体内で化学物質を合成して、それを利用して自分たちを護ろうとしてきました。

 蝶は、特定の植物が作り上げた化学物質に対する抵抗力を身につけて、他の昆虫たちが食べないような植物を食べるというサバイバル技術を身に付けてきたのです。

オールド・キャンパーの独り言

早期退職してJICAの海外シニアボランテイアとしてアルゼンチン共和国 ラプラタ市の環境公園で1年すごした後、カンボジア教育青年・スポーツ省青少年総局で2年間を過ごしました。  海外生活の間に思い立って書き始めた「自然からのメッセージ」でしたが、帰国後、長野県の生坂村に引っ越して、自然の中で暮らし始めて、折に触れ読み返しているうちに「オールド・キャンパーの独り言」として書き直そうと思いたちました

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