ものまね上手
空港には、有名ブランドの名前やマーク、デザインを盗用した「偽ブランド商品」「コピー商品」の持ち込みは禁止されていますという注意書きをよく見ます。ブランド商品のコピーだけでなくCD、DVD、コンピュータソフトなどのいわゆる「海賊版」も作って販売することは著作権法によって規制されています。
しかし、自然の中にも「コピー商品」まがいのものがあります。ナナフシのように周囲の植物や地面の模様にそっくりな姿をして攻撃者から身を護ろうとするものやカマキリのように、周囲の植物や地面の模様にそっくりな姿をすることで、獲物に気づかれないように獲物を捕らようするのがよく知られた擬態の例です。同じように身を護るために周囲の環境にとけ込むような体の色を持つ保護色もよく知られています。
このような擬態や保護色は、生物が身につけたサバイバル技術の一つだと考えられますが、植物の意図とは無関係に人間が勝手に間違えることによって起きてしまうのが山菜の誤食による事故です。
よく聞く事故としては、フキノトウと間違えてハシリドコロを食べてしまったという話です。ハシリドコロは、新芽は、つぼみはなく中心まで若い葉が重なっていて、内部にいくつものつぼみが集合しているフキノトウとは明らかに違うのですが見間違えるのでしょう。しかも、このハシリドコロは、猛毒を持っていて、食べると錯乱して走り回ることからハシリドコロの名が付けられたと言われています。
同じように、ゲンノショウコの若葉とウマノアシガタ。セリとキツネノボタン。ヨモギとブタクサ。また、葉がよく似ていると言うことでギョウジャニンニクとイヌサフラン。ニラとヒガンバナやスイセンなどがよく間違われる例としてあげられています。
茎に毛があるか無いか。葉が対生か互生か。葉の裏に綿毛があるか無いか。独特の匂いがするかしないか。まずは、聞きかじりの知識ではなくて、しっかりした情報を手に入れることと観察する目を養うことが大切なのではないでしょうか。
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