根開き

 雪で覆われた庭を見ると、庭木の根元だけ雪が溶け、地肌が表れている光景をよく見かけます。このような現象を「雪根開き(ゆきねびらき)」とか「根開き(ねあき)」とか「根周り(ねまわり)」と呼ぶのだそうです。

 枯れた木の周辺でも同じように根開きが見られるところを見ると開花するときに発熱がおこり周りの雪を溶かしていち早く顔を出すことで有名なザゼンソウとは違って自ら熱を出しているのではなさそうです。

 御神木と呼ばれるような大木の根開きを見ると、木の精が出すオーラによって雪が溶かされていると信じたくもなりますが、「周辺の白い雪と木の幹の黒っぽい色との光線の反射率の違いによって、黒っぽい幹が太陽光を吸収して暖まり、その熱を放出する事によって周辺の雪をとかします。少し解けてくぼみのできた雪への直接光と、幹に当たって跳ね返った反射光とによってさらに雪を溶かされて、根開きが完成する。」と言うのが科学的な原理なのだそうです。

 北国では春を告げる現象のようですが、ここ生坂では、夜中に雪が積もった日の翌日が好天で朝から太陽が降り注いだ午後には雪開けが見られます。

 すべてを科学的に解明することも大切でしょうが、大自然の中、木の温もりが雪を解かし、春を呼ぶといったファンタジックな世界で一人遊ぶのも、また楽しいものです。

オールド・キャンパーの独り言

早期退職してJICAの海外シニアボランテイアとしてアルゼンチン共和国 ラプラタ市の環境公園で1年すごした後、カンボジア教育青年・スポーツ省青少年総局で2年間を過ごしました。  海外生活の間に思い立って書き始めた「自然からのメッセージ」でしたが、帰国後、長野県の生坂村に引っ越して、自然の中で暮らし始めて、折に触れ読み返しているうちに「オールド・キャンパーの独り言」として書き直そうと思いたちました

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