消し炭

 消し炭って何のことだか判りますか。

 今は、電気やガスによる調理が当たり前の時代です。電子レンジ、IH等を使って調理することも多いと思います。

 しかし、自然の中での生活と言えばまず火を起こすことを連想するのではないでしょうか。薪を集めて火を起こして薪の火で調理することが当たり前の時代には、いかに素早く火を付けるかが最大の生活技術の一つでした。今ではバーベキューをする時には、炭に火を付けるための着火材が使われたりしますが、そんなものがない時代には消し炭が使われていました。

 消し炭というのは、炭火や薪の火を使って調理したり、薪で風呂を沸かしたりした時に最後に水をかけて火を消すのではなくて火消し壺に残り火を入れて蓋をして火を消したもののことです。

 一旦は火がついて燃えた薪が、完全に燃え尽きて灰になる前に酸素の補給をたたれて出来た燃え残りの炭、いわゆる消し炭はわずかな炎があれさえすれば簡単に火がつきます。

 昔の人の生活の知恵ですね。今や自然の中で直火を焚くことは多くのキャンプ場で禁止されています。せっかく大自然の中で生活しようとしたのに前の人が残した焚き火の跡に残された炭で真っ黒になってしまったり、火の後始末が悪くて山火事を起こしたりするのを防ぐために取られた措置なのでしょう。

 いったんは消されてしまった木の炎は、次に新しい薪に火を付けるよりも非常に簡単に火がつくものですよ。

オールド・キャンパーの独り言

早期退職してJICAの海外シニアボランテイアとしてアルゼンチン共和国 ラプラタ市の環境公園で1年すごした後、カンボジア教育青年・スポーツ省青少年総局で2年間を過ごしました。  海外生活の間に思い立って書き始めた「自然からのメッセージ」でしたが、帰国後、長野県の生坂村に引っ越して、自然の中で暮らし始めて、折に触れ読み返しているうちに「オールド・キャンパーの独り言」として書き直そうと思いたちました

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