桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿
「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」と言う言葉を知っていますか。これは、梅は余計な枝を切らないと翌年花が咲かなくなる。けれども桜は幹や枝を切るとその部分が腐りやすくなるので切らない方がよいという言い伝えのようです。
しかし、よく調べてみると、この言い伝えは、梅の剪定の必要性を教えたものであって、桜は、ほったらかしでよいと言う意味ではないようです。桜切る馬鹿と言われてもテングス病などの病気にかかった枝や樹形を乱す枝はやはり切る必要があるようで、放っておくと病気の蔓延やカイガラ虫などの虫の害にもつながるのだそうです。
有名な弘前城の桜は、ある時、弱った古木をリンゴの木の剪定法で使ってばっさり剪定したのが功を奏し、翌年には勢いを取り戻して以前より美しい花を咲かせるようになったのがきっかけで、積極的に剪定をするようになり、現在見られるような姿になっているのだそうです。
弘前にはリンゴを栽培している農家も多く、りんご栽培で培われた剪定技術が、弘前城の桜の管理に活かされてきたのだそうです。りんごの木は手入れがしやすいように、そして日がまんべんなく良くあたるように、枝を切り、低く樹形を作るように剪定するそうですが、その剪定法が生かされた弘前城の桜は、一般的な桜の花芽の数のほぼ二倍の花芽を付け、見た目にもこんもりとボリュームがある花になっているそうです。
桜もリンゴと同じ種類の樹木だから、リンゴの木の剪定が利用できるのではないかと考えた人もすばらしいですが、古くからの言い伝えに逆らって剪定することを許してくれた管理者の英断にも頭が下がる思いがします。
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